荻野宏@フォーシーズンズ withマイケルジャクソン, 徳永氏今から6年~7年前か、マイケルが久々に来日した時。月曜日午前中だった。博報堂から電話が入った。

『荻さん、今日の午後時間取れます?』。
『取れませんよ!。私の今週の予定は先週末までには決まってしまっていますよ』。と答え、
『そうでしょうね。今、テレビニュースでもご覧になっているでしょう!?。マイケルジャクソンが来日しているんです』。
『あ、そうですね。観ましたよ』。
『マイケル呼んだのは我々です。彼はアニメーションを創りたいのです。会ってやって下さいよ』。
『あっそう?。でも、一寸待って。お宅にもアニメーションプロデューサーは沢山いるでしょう?』。
『私が知ってる、認めている、アニメーションプロデューサーは荻さんしか居ないんだけど』と、来た。
『解りましたよ、旨いな』。と私。

そうであれば、話は別だ。と思い、永年、ディズニーのアニメーションを日本国内で受注して来たアンサースタジオの徳永社長に電話した。
答えは自分が博報堂の友人にした答えと全く一緒だった。

『荻さん、私の今週のスケデュールは先週中に決まってしまって、、、』。
『あのさ、マイケルジャクソンが来日してるだろ?。彼はアニメーションを創りたいと言ってるらしいんだ。一肌脱いでよ!』。と私。
『そうですか。了解です』。

という事で夕刻、目白のフォーシーズンズへ。
 確か、8階だったか、エレベーターの扉が開くと、廊下にプロレスラーみたいなガードマンがズラリ!。
『やっぱり本当の話しらしいな』。
などとアンサースタジオの徳永社長と話しながら廊下を進むと、これまた、グラマーなおばちゃん2人が現れ、
『ナイスミートュ ユー』とご挨拶。 
程なく、本人、マイケルジャクソンは現れた。そこで、

『貴方はアニメーションを創りたいとの事ですが、どんな内容の作品を考えていますか?』。とのこちらの質問に、
『それは、今、言えません。何故なら、私がここで今、貴方に答えてしまうと、半年後にブロードウェイで新たなミュージカルが始まってしまいます。私がお話しすると、いつも盗用されてしまうのです』。とマイケル。
『成る程、ではどうすれば、その内容を我々にお話しいただけますか?』。との問いに彼は
『3ミリオンダラーのデポジット』。と要求して来た。
『一寸待った。我々は智恵も経験もアイディアもあるが資金は無い。ここで貴方が我々にレターを書いてくれればOKですが。でなければお金集めは難しいですよ』と回答すると、彼は静かに首を横に振った。
そうか、合意書とか準契約書の類も書けないのだな。デポジットも渡せないから。それなら、待てよ!。
『OKマイケル。私がマイケルと今日の様な話した事を証明する為に、ここにある私の携帯電話で写真を撮りたい。如何かな?』と、伝えたら、
『Why Not. OK!』といってくれた。

が悲しいかな、この時私が所有していた携帯電話での撮影能力ではこの記事でつかっているこんな写真が精一杯であったのだ。

そして、
『もう一つ、質問。貴方が創りたいアニメーションは、貴方のサクセスストーリィですか?』の問いに彼は、
『No!,』だった。
『では、ターゲットはどういったジェネレーションですか?』の問いに彼は
『オールファミリィ!』と答えて来た。そこで、ピンと来た私は
『解ったよ。貴方はウォルトディズニー、つまり、“プロデューサー”になりたいんだね!?』と言ったら、
『イエース!!』と答えてきた。

しかし、その後、2度目の来日の2年後に彼は急逝した。
彼が本当に創りたかったアニメーションの企画プロットは既に用意されている。自分には解っている。だが、“彼が本当に創りたかった作品はこれだ!”。と証明する術は残念ながら、今となっては無い。